1:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:10:45.19 ID:KLGvIiLq0
誰も居ない部屋で独り、ボーっとしてると、あんなこともあったなぁ……
なんて懐かしい昔の記憶が蘇ってきました。
だから、なんとなく書いてみようかなと思った次第です。
昔のことなので、脳内で都合のいいように変換されているかも
しれませんが、とりあえず書いていきたいと思います。

よかったら、お付き合い下さい。

http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1349273445/
2:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:11:45.20 ID:KLGvIiLq0
スペックです。
ボクは、山下ユーサク(仮名)当時は公立高校の一年。
成績は普通、運動神経も普通、外見も普通、つまり特徴がないことが特徴で
他人からは「何度会っても顔と名前が一致しない奴」とか言われてました。
当然、先生にも名前を覚えてもらえないわけで、授業中に指名される回数が
明らかにボクだけ少なかったような記憶があります。
基本的にヘタレです。

3:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:12:16.51 ID:KLGvIiLq0
彼女の名前は、山本ミドリ(仮名)同級生です。
長身で活発な子。ルックスは美しいスポーツ少女系。今の流行でいうと
ヤングなでしこといった感じでしょうか。
中学二年の時に彼女が転校してきてから、ずっと同じクラス。
しかも名簿も近いことから席はいつもボクが前、彼女が後ろでした。
だから彼女はボクのことを名前で呼んでくれる数少ない(というか唯一の)
女友達でした。

4:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:15:29.88 ID:KLGvIiLq0
転校初日の第一印象は「大きな子だなぁ」でしたね(笑)
たぶん、当時は彼女の方が背が高かったと思います。
そして次に「カワイイかも」になるわけです。
気のせいか、ちょっと影のある感じはありましたけどね。

理由は覚えてませんが、ちょうどボクの後ろの席が空いていたので
彼女の席がそこに決まり、ボクは内心「ラッキー!」とか思ってました。

5:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:16:25.54 ID:KLGvIiLq0
十分に地の利を活かして、ボクは彼女と親しくなりましたね。
運よく気も合ったので、ボクは彼女とは同性.友達と接するように自然に
接することができました。それは彼女も同じだったと思います。たぶん。
半年もすると幼馴染みたいになり、そのうち彼女からは、普通に恋の相談
のようなものも受けるくらいにまでなってましたよ。
この辺は想定外でした。仲良くなり過ぎましたね。友達として。

6:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:17:43.87 ID:KLGvIiLq0
そんな彼女に「男性.意見が聞きたい」と言われる時は、たいてい恋愛系の
ハナシでした。
ボクの彼女評は“恋多きわりには臆病で詰めが甘く成就しない乙女”とでも
いうのでしょうかね、次々と「あの子がステキ!」とか言うくせに
結局は、誰とも付き合ったりできなかったようです。

この話は、高校に入って初めて彼女から「男性.意見が聞きたい」
と言われたことから始まる騒動を、思い出しながら書いていきます。

9:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:22:43.18 ID:KLGvIiLq0
―― 第一部 修羅場 ――

いつものように慌しい朝のホームルーム前でした。
ボクは友人達と昨日のサッカーについて、あーだこーだと批評家よろしく
やってました。ボクは、一応サッカー部所属です。ベンチ外ですけど。
いつもは、そんな話に混じってくるミドリが珍しくひとりで席に座ってました。

様子がおかしいかも? とは思ったんですが、女の子ですからね。
下手に構うと真剣にウザがられたりするんで放置してました。
でも、その日は一日中そんな感じだったんで、終礼後に声をかけてみたんです。

10:名も無き被検体774号+2012/10/03(水) 23:22:48.77 ID:eF6+KPLD0
うん

11:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:23:42.14 ID:KLGvIiLq0
「熱でもある?」

「ない……と思う……かも」

なんとも珍妙な回答をするミドリ。

(なんなんだ、それ?)

彼女の虚ろな視線が、ちょっと気になったものですから
数ヶ月ぶりに彼女を誘ってみました。

「今日、部活だろ? 終わったらなんか食べに行こうか」

12:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:25:10.46 ID:KLGvIiLq0
お一人来ていただけましたか。
ありがとうございます。
それでは、続けますね。
――

別に下心があったわけではないですよ。
家が近所で方向が一緒なので、中学の頃は部活終了の時間さえ合えば
一緒に帰ることが結構あったんですよ。
高校に入学してからは、初めてでしたけど。

「……わかった。じゃ校門で待ってる」

力なく答える彼女でした。

13:名も無き被検体774号+2012/10/03(水) 23:25:48.91 ID:P7m70aEH0
見てるよ

14:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:26:09.10 ID:KLGvIiLq0
彼女はバレー部所属です。身長があるんで中学の頃はエースアタッカー
だったし。
自校で試合がある時に何度か応援に行ったけど、体が大きいせいもあり
なかなか迫力がありました。スポーツ少女に見合わない綺麗な長い髪も
目立ってましたし、それになんというか…… 揺れるんですよね(笑)

15:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:28:11.62 ID:KLGvIiLq0
もう一人ご参加いただけましたか。
ありがとうです。
続けます。
――

彼女も同じように、ボクの試合を応援してくれたこともありました。
ロスタイムにゴールを決めた時には、汗と泥まみれのボクと抱き合って
喜んでくれたし。
そんなこんなで周囲からは、完全に二人は付き合ってると思われてたようです。
残念ながら違うんですけど。

16:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:29:14.65 ID:KLGvIiLq0
だから、彼女は非常に目立つ存在にもかかわらず、寄ってくる男は少なかった
ようです。詳しくは知りませんがね。もしそれがボクのせいだったなら
今さらですが謝っておきます。すいません。
ちなみにボクに寄ってくる女性.皆無でしたよ。それは決して彼女のせいでは
なかったと思います。ドンマイ!

18:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:30:21.60 ID:KLGvIiLq0
さて夕暮れの迫った校門。
彼女が壁にもたれかかり、ボクを待ってました。
アンニュイな雰囲気で可憐さが一層引き立ち、なんかこうゾクゾクっとしたことを
覚えてます。

「ごめんごめん。顧問の説教が長くてさ」

さっきのゾクゾク感を誤魔化すように言うボク。

「いい……さっき来たとこだから」

19:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:31:18.31 ID:KLGvIiLq0
もし、これが初対面だったなら、即落ちで一目惚れしてたかもしれません。
どうやらボクは憂いを含む女性.表情に弱いようです(笑)
でも、数年間の彼女との時間がボクと彼女の関係を“友達”に固定して
しまっていましたね。

20:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:32:13.12 ID:KLGvIiLq0
ボクは自転車を押しながら坂を下ります。彼女はボクの斜め後ろを黙って
ついて来ます。
これは誰か好きな男ができたんだろうなと思いましたね。
過去にも似たようなことが何度かありましたから。
嫉妬心とかそういうものは、まったく感じなかったですよ。
同性.友達が誰かに惚れたとか聞いても何も思わないのと同じです。
ボクの中での彼女はそんな感じだったんです。

21:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:33:09.88 ID:KLGvIiLq0
ファーストフード店に着くと端の方の席を陣取り、ポテトと飲み物だけで
じっくり話を聞くことにしました。
ボクはもう答えはわかっていたんですが、とりあえず通過儀礼として
尋ねることにします。

「で、どうしたんだ?」

ストローの袋をコネコネしながら、ちょっと拗ねたように俯き加減で
視線を合わさず、とんがった口で呟きます。

「……男性.意見が聞きたい……」

22:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:34:10.00 ID:KLGvIiLq0
(ほらきた)見覚えのある光景です。毎度のことですが同じ仕草で
同じ内容を言うんですよ。コイツは。
とりあえずボクは、いつも同じ反応をするしかありません。
ここで、何か違った反応(どんなだ?)でもすれば、ボク達の関係が
変わったりしたんでしょうかね?
その時はそんなことは、考えもしませんでしたけど。

「それで、今度の相手は誰なんよ?」

「……サッカー部のキャプテン」

「え――っ! 早川先輩(仮名)かよ」

23:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:35:05.70 ID:KLGvIiLq0
まあ驚きましたよ。身近な3年の先輩ですからね。
いや、驚いた理由はそれだけじゃないんですよ。
その先輩には彼女がいたからです。
ありがちなんですが、3年のマネージャーさんがそれです。
ちょっと派手目ですけど、かなり綺麗な人です。モデルみたいです。
ボクは迷いました。その事実を今ここで伝えるべきかどうか……

24:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:36:24.98 ID:KLGvIiLq0
数秒間の熟考の結果、今日のところは先輩に彼女がいることは
伝えないことにしました。
今日はミドリを元気づけるために来たわけですからね。
明日でいいや、とか思ったんですよ。
それに、話を聞いてやれば少しは落ち着くだろうし
それからでも遅くはないと考えたからです。

25:名も無き被検体774号+2012/10/03(水) 23:36:43.97 ID:PUsR6YH10
ほう

27:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:37:08.90 ID:KLGvIiLq0
案の定、先輩のどこがカッコいいかを力説しながら
ミドリは、どんどん元気になってきました。
ボクとしては他の男のカッコよさなんて聞かされても
あんまり面白くなかったんですけどね。

29:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:38:16.71 ID:KLGvIiLq0
まあ、先輩は普通にカッコいい人ですし、サッカーも
ボクなんかよりも随分上手いです。
ただねぇ……女性.のアレコレを自慢げに話すタイプなところがねぇ~
聞く方は楽しいんですよ。ソノ手の話は、こっちも興味津々ですから。
でも、その話を聞いた後では、気まずくなるんですわ。

28:名も無き被検体774号+2012/10/03(水) 23:37:24.11 ID:eF6+KPLD0
>>1さん
文章からするとけっこうなお年ですね

30:名も無き被検体774号+2012/10/03(水) 23:40:44.22 ID:KLGvIiLq0
>>28
そうですね。30代ですよ。
モノを書くことが多い仕事なので、回りくどい文章になってますかね。
恐縮です。
――

マネージャーさんを見るともう妄想全開になっちゃって……あんな綺麗な人が
そんなコトをするなんて……ついパソツを押さえてしまいますよ(笑)
ボクは、ひょっとしてこの先いつかミドリと先輩のアレコレを
聞くことになるのか? とか考えてちょっと困ったような
気になったことを覚えてます。

31:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:43:20.78 ID:KLGvIiLq0
結局、ミドリには小一時間ほど話につきあいましたね。
もう飲み物の氷が溶けるだけじゃなく、紙コップまでユルユルに
なった頃にやっと解散となりました。

32:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:45:20.40 ID:KLGvIiLq0
それからのボクは、結構苦しかったですよ。
ミドリからは先輩のアドレスを教えろとか、今後の試合スケジュールを
教えろとか、弁当を作りたいから食べ物の好き嫌いを教えろとか
色々と言われましたから。
なんだかスゴーく盛り上がってるんで、つい彼女がいることを
言えずにいたんです。
つーか、先輩とマネージャーさんのやり取りを注意して見てりゃ
ふつーは気づくハズなんですけど、コイツは気づかないんだよなぁ。
ひょっとして相当ニブイのか?

33:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:46:42.21 ID:KLGvIiLq0
そのうち、一度でいいから直接話がしてみたいとか言い出してさ。
仕方がないから段取りをしてやりましたよ。
部活が終わった頃にボクに声をかければ、できるだけ自然に先輩と
話ができるようにしてやると。
まあ、やってみたんですけど全然自然じゃないのね、これが。
なんかマネージャーさんに睨まれましたけど、ボク。

34:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:47:43.18 ID:KLGvIiLq0
その日の帰り、ミドリはテンションが上がってました。
「一歩前進ナリ!」とか言ってましたね。
そういえば、ボクは最近ミドリと一緒に帰ることが多くなりました。
なぜかミドリが校門で待っているせいで流れ的に、そうなってしまうんです。
で、ひとしきり先輩のカッコいいところを聞かされるというわけでして。

あー面白ないぞー(笑)

とかいいつつ、ボクは楽しかったようです。

ところが……

35:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:48:45.94 ID:KLGvIiLq0
ミドリを先輩に近づけたことが、ボク達をとんでもない方向に進める
きっかけとなってしまったんです。

一週間後くらいだったかな、早川先輩がボクに話しかけてきたんです。

「よう山下! あの子、そう、ミドリちゃんってカワイイよな」

「へ? なんすか急に?」

「昨日の帰りにファーストフード店で偶然会ったんだけど
 カワイイなとか思ってさ。で、あの子はおまえの彼女なのか?」

先輩からミドリの名前がでるだけでも、ドキッとするのに彼女かどうか
なんて聞かれたものですから、相当慌ててしまいました。
傍から見ると滑稽だったと思いますよ。ひとりで赤くなってバタバタしてた
わけですからね。

「ちがっ、違いますよ」

36:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:50:02.37 ID:KLGvIiLq0
ボクが否定するのを見ながら腕を組んで何かを考える先輩。
そして、呟くようにさりげなく爆弾発言をしてくれます。

「そうか……じゃあアタックしようかな?」

「え?! 先輩……マネージャーさんが……」

「マネージャー? 気にしない、気にしない」

ボクは内心(これはマズイことになったかも)と思いましたね。
ひょっとして先輩は手当たり次第とか、そういう系の人だったのか?
となるとミドリが可愛そうだし、なんとかしないとマズイ
非常にマズイ。

38:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:51:24.23 ID:KLGvIiLq0
ボクの心配を他所に、それからミドリは先輩と急接近するわけです。
帰りは相変わらずボクと一緒なんですけど、彼女は途中から先輩との
待ち合わせ場所へ向かうことがあったりしました。
休日デートもしたみたいです。

39:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:53:28.71 ID:KLGvIiLq0
まあ、会話の内容やデートの様子はこっちから聞かなくても
嬉しそうに逐一話しますから、まだ深い関係にはなってないらしく
ボクは少し安心してたんです。

40:名も無き被検体774号+2012/10/03(水) 23:53:56.13 ID:eF6+KPLD0
>>37
実話系こなれた文

40:名も無き被検体774号+2012/10/03(水) 23:53:56.13 ID:eF6+KPLD0
>>1おっさん
読ませる

41:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:54:03.13 ID:KLGvIiLq0
って、いったい何を心配してるのやら……
まあ、ミドリはマネージャーさんと違ってそこまで踏み込めない
だろうとは思ってましたけど。

42:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:55:37.03 ID:KLGvIiLq0
というか、なんでコイツはここまで詳細をボクに語る必要があるのか
理解できませんでしたね。ボクが聞き出してるわけじゃないですよ。

そんなことよりも、早く彼女がいることを伝えなければ……

43:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:56:58.64 ID:KLGvIiLq0
焦る気持ちとは逆に、いざミドリを前にすると言えなくなるんですよね。
彼女が悲しむ顔を見たくないというのもそうなんですが、言ってしまうと
もうミドリとこうして一緒に帰る理由がなくなってしまう……

44:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/03(水) 23:59:01.76 ID:KLGvIiLq0
という複雑な心境だったのも理由だったような気がします。
今、思うとこれがいけなかったわけです。

そんなある日……

45:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:00:40.30 ID:KLGvIiLq0
ボクは珍しくマネージャーさんから声を掛けられるわけです。

「えーっと……山下君……だっけ?」

ちょっと驚きでした。話をしたことがない女性.ボクの名前を覚えてて
くれるとか新しいです。初めてです。嬉しいかも(笑)

46:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:02:17.74 ID:KLGvIiLq0
「今日部活が終わったら、ちょっと付き合って欲しいんだけど」

なんだか非常に嫌な予感がするんですけど、先輩の彼女ですし無視しても
いいことは何も起こりそうにないどころか、悪いことが起こる気がして
気の進まない状態で、待ち合わせ場所へ向かったわけです。

47:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:04:08.81 ID:fmYO4C/+0
そうしてボクとマネージャーさんは、夕暮れの中、公園のベンチに二人
座ることになりました。雰囲気は抜群なんですが、そんな悠長なことは
言ってられません。

絶対に先輩とミドリのことだろうな、と思ってましたから。

48:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:05:20.50 ID:fmYO4C/+0
「ごめんね。急に呼び出したりして」

「いや、全然オッケーですよ。どうせヒマですから」

「実は……早川君のことなんだけど……」

ここまで聞いて、やっぱりそうだろうなと納得しましたよ。

49:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:06:23.61 ID:KLGvIiLq0
別に変な期待をしていたわけじゃないですが、やっぱり心の底では
何かを期待していたんでしょうね。
なんといっても、正常な男子高校生ですから(笑)

51:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:07:38.16 ID:fmYO4C/+0
「なんだか最近、私の知らない女の子と仲がいいみたいで……
 で、その子って山下君の友達じゃないのかなと思って」

いきなり、話がヤバくなってきたじゃないですか。

52:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:08:29.32 ID:fmYO4C/+0
彼女の静かな口調がボクの緊張感を高めてくれます。
心臓の鼓動が高くなって、喉まで乾いてきましたよ。

「で、どんな子なの?」

53:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 00:09:00.89 ID:EEv3jPEH0
こええええww

54:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:09:44.91 ID:fmYO4C/+0
若干怒りの感情を含んだ声にボクは戦慄を覚えましたよ。
女性.いうのは浮気をした男性.りも、相手の女性.対して怒りを感じると
聞いたことがありますが、まさにソレです。

55:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:11:13.51 ID:fmYO4C/+0
それに彼女は全ての裏を取ってるんでしょうね。先輩に最初にミドリを
引き合わせたのがボクだということも分かっての今日なんだと思いました。

こうなるともう逃げられません。

56:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 00:12:20.65 ID:hut5hzMa0
小説みたい\(^o^)/

57:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:13:53.94 ID:fmYO4C/+0
ボク観念して正直に話をしました。

ミドリはボクとは中学から一緒だったこと。長身でバレー部に所属していること。
外見はそこそこ美少女で、男子にはそれなりに人気があるというか目立つ存在
であること。

58:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 00:13:55.94 ID:EEv3jPEH0
面白いから創作でもなんでもいいやw

59:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:15:22.33 ID:fmYO4C/+0
そして彼女が、先輩に憧れていたこと。
一度でいいから直接話がしたいと言い出し、ボクがそれを段取りしたこと。
あとは……先輩に付き合ってる人がいることは、知らないということ。

61:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:17:03.60 ID:fmYO4C/+0
でも、学校の帰りにどこかで先輩と待ち合わせをしてるらしいとか
休日デートのようなコトをしてるとかは言いませんでした。
だって怖いし。

62:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:19:53.87 ID:fmYO4C/+0
マネージャーさんは(……ったく余計なことを)というような
怒りを含んだ目でボクを見てましたが、最後まで話を聞くと

「正直に話してくれて、ありがとう」

それだけ言って、さっさと帰っていきました。

63:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:22:03.39 ID:fmYO4C/+0
ボクは自分の無事を喜ぶ余裕もなく、ベンチにへたりこんでしまいましたよ。

それより、自分がきっかけを作ったせいで、なんだか人間関係が面倒な方向へ
動いていることが恐ろしくてね。
そして、今日のことをミドリにどう説明したらいいのか分からず
一人で頭を抱えてたんです。

64:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:23:02.35 ID:fmYO4C/+0
が……事態はボクの想像を超えて、斜め上の展開を始めるわけです。
なんと、ボクとマネージャーさんが怪しいとの噂が立ち始めるという。

なんで?!

65:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 00:24:08.18 ID:EEv3jPEH0
さあどんどん投下して!

66:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:25:07.60 ID:fmYO4C/+0
どうやら、公園のベンチに二人が真剣な表情で座っていたところを誰かが
目撃したようで、話に尾ひれがついて広まっていったようです。

67:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:26:25.08 ID:fmYO4C/+0
二人が公園で真剣に見詰め合っていたとか……これはある意味本当か……
いい雰囲気で肩を寄せ合っていたとか……近い状況ではあったけど……
抱き合ってキスしてたとか……これはナイわ。絶対にナイ。断じてナイ。

68:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:27:48.23 ID:fmYO4C/+0
映像としての雰囲気は、確かに誤解を生む内容だったわけですよ。
それは否定しませんが……
だからといって、先輩の彼女と恋愛とかキスとかするわけないでしょーが。
そんな無謀なチャレンジャーではナイですし。

69:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:29:11.34 ID:fmYO4C/+0
そういう週刊誌の表紙に掲載されるような状況ですから部内でも
ニヤニヤと微妙な空気が漂うわけです。
みんな腫れ物にでも触るような感じでボクに接するんです。
否定すれば否定するほど、いっそう酷くなるから困ります。

70:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:30:17.77 ID:fmYO4C/+0
奴らの頭の中では“略奪愛”という物騒な文字が、小躍りしながら
走り回っていたことでしょう。
そのうち、早川先輩の耳にも届くことになり、練習後のクラブボックスに
呼ばれることになってしまいました。

72:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:31:37.15 ID:fmYO4C/+0
簡易ベンチに腰掛けた先輩が、スパイクの紐を解きながら尋ねます。

「山下、おまえアノ噂は本当か?」

直立不動で尋問状態のボクは、緊張と不安で汗ぐっしょりです。

73:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:32:24.72 ID:fmYO4C/+0
別にマネージャーさんとは、やましいことは何もないんですが、人間関係が
面倒なことになっているのは、多分に自分のせいという認識がありましたから。

「噂って、ボクとマネージャーさんとのことですか?」

74:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:33:09.24 ID:fmYO4C/+0
脱いだスパイクの泥を「コンコン」と払いながらチラッとボクの顔色を
覗き込む先輩。その目には怒りの感情を感じることはありません。
うまく言えないんですが、マネージャーさんとの温度差は感じましたね。

「そうだよ。まあ、オレは気にしてないんだけどね」

75:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:34:26.89 ID:fmYO4C/+0
ここは全身全霊をかけて弁解させてもらいます。
たとえ男らしくないと言われても、言い訳だってします。
武士じゃないんで、二言だって言いますよ。

77:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:36:07.70 ID:fmYO4C/+0
確かに健康な男子高校生的期待感ゼロで待ち合わせ場所に向かった
ということはないですが、実際に何かアクションは、起こしてはいません。
神に誓って。

「いや、あれはデマですよ。デマ。ただ……
 マネージャーさんから相談を受けたことは事実です。先輩の件で……」

78:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:37:18.36 ID:fmYO4C/+0
「そうか……そんなことだろうとは思ったんだけどな……」

ですよねー わかってくれますよねー なんてホッとした自分がありました。
この際、先輩の気持ちを確かめた上で、マネージャーさんと仲直り? というか
しっかりと元の鞘に収まってもらおうとか考えたわけです。

79:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:38:02.39 ID:fmYO4C/+0
そうすれば、ミドリのことも余計な心配をせずに済みますからね。
だから先輩と、もっと話そうと思ったです。

「先ぱ――」

そこで急に扉が開いたかと思うとマネージャーさんの乱入です。いや突入か?
そして次の瞬間、ボクは信じられない状況に陥ることになります。

81:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:40:37.16 ID:fmYO4C/+0
なんとマネージャーは先輩の前を通り過ぎて、ボクに抱きついてきたんです。
まさか相手を間違ったんじゃないのか? とか一瞬考えたんですが
次の言葉で、そうじゃないことが分かります。

83:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:42:12.50 ID:fmYO4C/+0
「山下君! 誤魔化さないで! あの時、あなたは私に告白したじゃない!」

「え”?!」

この人、何を言い始めるんだ!?
これから先輩とサシで話して、この件をクロージングに持っていこうと
考えていたのに、何と言う無謀かつ玉砕の特攻発言……台無しじゃん……

84:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 00:42:47.98 ID:EEv3jPEH0
道具にされたか

85:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:43:04.68 ID:fmYO4C/+0
こんなこと言われたら先輩だって黙ってはいないでしょう。
ネ果火を持ってガソリンタンクに突っ込んでくるようなものですよ。
しかし、彼女の勢いは留まるところを知りません。
こっちまで飛び火どころか、もう火達磨じゃないですか。

86:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:44:19.56 ID:fmYO4C/+0
「そして私たちは付き合うことになったじゃない!」
 こんな奴(先輩を指差す)に気を使うことはないのよ!」

いやいやいや、ナイナイナイ、絶対ナイし~
そんな夫婦喧嘩みたいなことは、二人だけの時に違う場所でやってくれー

87:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:45:09.04 ID:fmYO4C/+0
と、あまりにトンデモな展開に、苦笑いさえ漏れてしまいそうだったんですが
先輩の次の言葉で再びボクは奈落の底へ落とされるわけです。

「山下……そういうことだったのか」

(え? ひょっとして信じてる。あんたバカですか?)

88:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:46:06.28 ID:fmYO4C/+0
オイオイオイ、なにを血迷っているんですか。冷静に考えればそんなこと
あるわけないとか考えないんですかね。この人たちは。
とりあえず、ここは落ち着いてもらって……話せば分かるハズ……

89:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:47:24.29 ID:fmYO4C/+0
「先輩、違いま――」

と言いかけたボクのでしたが、その言葉を最後まで言うことができなかったんです。
なぜなら、マネージャーさんがボクの口を塞いでしまったから……

唇で――

90:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 00:48:10.53 ID:EEv3jPEH0
トンデモっすねww

91:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:49:19.92 ID:fmYO4C/+0
>>90
まったく、トンデモです。

――

さて、どうでもいい話ですが、これがボクのファーストキスってやつです。
ロマンチックでもなんでもなく、いきなり修羅場でソレですからね。
非常に残念です。悔やまれます。トラウマになりそうです。

92:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:51:55.15 ID:fmYO4C/+0
その光景を見た先輩は、ボクの肩をぐっと掴むと「大切にしてやれ」と言って
ボックスを後にしました。 って、オイ待てー

表ではメンバーがザワついています。「やっぱり、そーだったんだ!」とか
「修羅場やね~」とかワイドショーを観てるおばちゃんみたいな会話が
聞こえてきます。 おまえらも傍観せずに、先輩を止めろってば。

93:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:53:17.04 ID:fmYO4C/+0
「誤解でーす」「待ってくださーい」と動こうと思うのですが
マネージャーさんが、ボクに絡みついていて身動きできません。

一瞬、殴ってでも引き剥がそうかと思ったんですが、マネージャーさんの
悲しそうな目に断念した次第です。

94:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:55:45.30 ID:fmYO4C/+0
そして、先輩が十分遠くに行ってしまった頃、マネージャーさんは
その場に崩れ落ちるわけです……

ボクは(どーすんだ? コレ?)と思いながらも、どうしていいか分からず
とりあえずマネージャーさんの気持ちが落ち着くまでは、傍にいた方がいいか
と思い、黙って横に座ってました。
自○とか放火とかされたらヤバイとか思ったんですよ。マジで。

96:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:56:41.10 ID:fmYO4C/+0
そのうち泣き疲れたのか、ボクにもたれかかり腕にしがみついた状態で眠って
しまいました。

この時のボクは困ってました。正直、困ってました。本当に困ってました。
何度でも言いますよ。困ってましたと。

97:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:57:17.65 ID:fmYO4C/+0
どう考えても彼女がボクを好きなハズがありません。単なる“あてつけ”で
あんなことをしたことは明白です。それが問題の解決に結びつくのかどうか
知りませんがね。とりあえず彼女の選んだ手段はそれだったということです。

98:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 00:58:52.39 ID:WJxUMChj0
気になって眠れん

99:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 00:58:53.20 ID:fmYO4C/+0
対するボクの状況は外堀を埋められて、自分の気持ちとは違う既成事実で
追い込まれている感じ。

マネージャーさんと公園で密会し
元カレの先輩と直接対決を経て
キスでめでたくカップル誕生……

鬱だし……
このままだと、明日には『新カップル誕生!』と祝福されてしまうでしょう。

100:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:00:42.08 ID:fmYO4C/+0
マネージャーさんは、ボクには不釣合いなくらい美しい女性.あることには
違いないんですよ。でも、なんというか……
昨日まで先輩と、あんなことや、こんなことをしてたんでしょ……
ムリですわ~それ。

101:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:02:28.75 ID:fmYO4C/+0
再婚だって離婚後は、6ヶ月のクーリング期間が必要なんですよね。
そんなホヤホヤで相手の体温が残っているような女性.か、絶対ムリですって。
非常に失礼を承知で言います。
全力でお断りですわ。

102:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 01:02:54.94 ID:EEv3jPEH0
どっちも得しないね

103:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 01:03:25.88 ID:OKwlE1TV0
おもしれぇwwww

104:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:04:25.44 ID:fmYO4C/+0
さて、30分くらい経った頃、やっと目を覚ましたマネージャーさんは

「あっ、山下君。ずっとこうしてくれてたの?」

なんと呑気な声でのお目覚めです。
ボクは(あなたのせいで修羅場じゃないですか。これからどーするんですか)
と言いたい気持ちをぐっと抑えて

105:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:05:59.91 ID:fmYO4C/+0
「あっ、はい……動けなかったですから……」

「ごめんね……もう遅いから帰ろっか」

美しいお顔で力なく微笑むわけです。
えーっと、ボクはさっきの勢いが急速に萎えていくのを感じます。
実は、こういう表情に弱いんですよね。

106:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:06:39.72 ID:fmYO4C/+0
ボクを11人集めて、こんな表情のお面をつけた女子チームと対戦したら
きっとボロ負けするに違いないでしょうね。0-15くらいで。

そんなわけで、彼女を放っておけない気分になってしまい、すっかり
暗くなった道を二人で帰ります。

107:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:07:44.09 ID:fmYO4C/+0
どうやら自分の家とは方向が違うようなんですが、なんとなく家まで
送った方がいいかと思ってマネージャーさんの足が向かう方向に歩きます。

そのうち家に着いたらしく、玄関の前で足が止まりました。
これでボクの自分の仕事は、全て終わったと思いましたよ。
とっとと帰って明日以降の対策を練らないと、とか思いました。

108:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:08:36.79 ID:fmYO4C/+0
「じゃ、ボクはこれで帰ります」

そして自転車に跨ろうとした、その時。

「お腹空かない? 私、泣いたらお腹が空いちゃって。
 何か食べていかない?」

妙なタイミングで妙な誘いです。普通なら断りますよね。
あんな目に遭った後ですから、家なんかに入ったら次はどうなるか
分かったもんじゃないですし。

109:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:09:22.95 ID:fmYO4C/+0
ところが、ちょっと憂いを含んだ笑みが、なんとも妖艶で美しかった
のでボクは脊髄反射で「はい」と答えてしまったんですよ。

言ってしまってから気づいたんですがこの時、無意識でしたが
1000分の1秒単位で不安と期待を天秤にかけてたわけです。

110:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:10:33.22 ID:fmYO4C/+0
ファーストキスを奪っていただいたのですから、展開によっては
筆おろ……なんとも男の悲しい性.す。いや、男子高校生です。

というわけで、ボクはマネージャーさん宅のダイニングテーブルに
座ってました。彼女はキッチンで手際よく何かを炒めているようです。

111:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:11:30.84 ID:fmYO4C/+0
そのうち、テーブルには二人分の焼きソバが並びます。なぜに焼きソバ?

「ごめんね。こんなものしかできなかったけど」

「いや、すいません。わざわざ作っていただいて」

それを食べ終わると、彼女はいかにもお揃いの片割れっぽいマグカップを
手にポツリポツリと先輩との話を始めました。
別に聞いてないんですけど……

112:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:13:06.67 ID:fmYO4C/+0
高校に入学して初めて会った時のこと……
合宿の夜に告白された時のこと……
学園祭の模擬店のこと……
二人で行った旅行のこと……
(えー、その話は先輩から何度も聞きました。深夜編だけですが)

113:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:14:18.21 ID:fmYO4C/+0
そして、最近すれ違いが多くなってきたことまで話すと、目に涙を
いっぱいに浮かべるわけですよ。
なんか可憐で弱々しくって、思わずぎゅーっと抱きしめたくなる
衝動にかられるんですがそんなことをしたら、ボクがこの先
修羅場の中心人物に進化してしまいます。いや、もうほぼ中心か?

114:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:15:14.92 ID:fmYO4C/+0
「今日はね、父も母も遅いの……」

思いがけない言葉に緊張が走ります。
おいおい、マジでこの先があるのか?
どうする? ボクよ?
この際、成り行きに任せてみるのも……

115:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:17:05.63 ID:fmYO4C/+0
「そっちに行ってもいい?」

緊張して声が出せないボクの無言を肯定と、とったのか
隣というか、もう膝の上近くに座るわけですよ。
そして、ねろねろと絡んでくるんですわ。

117:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:17:46.59 ID:fmYO4C/+0
もうね。ダメですよ、この人。
完全に人格崩壊してます。絶対おかしいです。
(先輩からアッチの方は嫌いじゃないらしく激しいとは聞いてましたが……)
このままいけば、マジでボクの筆……

118:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:18:53.05 ID:fmYO4C/+0
――

ボクの脳内では各部位の担当がホットラインで状況報告をし始めます。
まずは隊長の“精神”です。

「各部位、状況を報告せよ!」

左半身:
「左前腕部拘/束されており制御不能! 続いて上腕部が敵の侵略を受けています!」

右半身:
「こちらは各部異常ありません! 回避行動可能です! 指示を!」

119:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 01:19:14.31 ID:EEv3jPEH0
ゴクリ・・・

120:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:19:20.30 ID:fmYO4C/+0
胸部:
「呼吸が苦しいですっ! 心拍数も増大してますっ! 警戒レベルです!」

頭部:
「視界良好、聴覚問題ありません! 上下唇および声帯正常作動します!
 指示を! あっ嗅覚がやられました!」
(そういえばマネージャーさんの髪からいい匂いがしてます)

頭脳:
「……」

精神隊長:
「精神から頭脳へ、応答せよ!」

頭脳:
「●△※÷……」

121:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:20:03.17 ID:fmYO4C/+0
精神隊長:
「ダメだ……完全に混乱してる。コイツが作動しないと行動の指示が出せん……」

その時、ボクの精神は緊張でカチカチになってる担当者を発見する……下半身だ。
直立不動で空を見上げている。

122:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:20:44.96 ID:fmYO4C/+0
精神隊長:
「今日はお前の出番はないから安心しろ」

下半身は応答しない。
彼にとっては、これが初陣になるかもしれない状況とあり緊張と
我慢で大汗をかいている。相当気合いが入ってる様子だ……

123:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:21:30.76 ID:fmYO4C/+0
各担当との数十秒のやりとりの後、精神が発動した緊急脱出プログラムにより
左右大腿部と下腿部に現在地点からの緊急離脱命令が下された。

もう既に左前腕部、上腕部から背部と腰部、そして胸部まで侵略されており
あと数秒判断が遅れたら、その場に押し倒されてフォール負けだったでしょう。

124:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:22:11.91 ID:fmYO4C/+0
ボクは命からがらマネージャーさん宅から生還したのです。
自分としては頭脳が結局、何の役にも立たなかったことが情けない……

――

125:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:23:00.08 ID:fmYO4C/+0
家に帰ったボクは、明日からどうしようかと真剣に悩みましたよ。
先輩とマネージャーさんは、本当に破局なのだろうか?
でも、今日のマネージャーさんを見てると、まだ先輩のことが諦めきれない様子。
先輩の本当の気持ちが見えないけど……

126:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:23:51.10 ID:fmYO4C/+0
この際、ミドリに手を引いてもらうことが一番丸く収まるような気がするが。
となると、最初から分かってて進めたボクはどうなる?
なんか面白がってたみたいで最低な奴になるんじゃねーの?

127:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:24:28.31 ID:fmYO4C/+0
まあ、ミドリには明日の帰りにでも正直に話そう。
彼女なら分かってくれるさ、きっと。と考えたんだけど……甘かった。

翌日ミドリは学校に来なかった。その翌日も。

128:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:25:11.90 ID:fmYO4C/+0
さすがにこれはマズイことになってるだろうと、帰りに家に寄ろうと
思ってたんですが、昼休みに女子数人に囲まれる事態となるんです。

女子A「あんた、ミドリになんてことしたの!」
女子B「最初から分かってて面白がってたんでしょ!」
女子C「ホント最低っ!」
女子D「あんたのせいで、あの子、学校に来たくないって……」

129:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:26:28.98 ID:fmYO4C/+0
なんでも、ボクがマネージャーさんの家から脱出後、ミドリは彼女に
呼び出されて全てをブチまけられたらしい。

しかも、マネージャーさんはボクが最初から全てを知っててミドリの
恋愛ごっこを生暖かい目で楽しんでた、と言ったようです。

130:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:27:46.60 ID:fmYO4C/+0
ミドリとしては、憧れていた先輩に二股をかけられていたこともショック
だったらしいが、それよりも、信頼して全てを話してたボク、自分の
味方で応援してくれてると思ってたボクがそんな悪趣味なことをしていた
ことが相当ショックだったとのこと。

131:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:28:45.74 ID:fmYO4C/+0
それで「もう誰も信じられない!」となり、塞ぎこんでいるらしい。

ボクは、すぐに携帯でミドリに連絡しようとしたが……
着信拒否だし……
メールで「すぐに会って話がしたい」と送信したが
返ってきたのはデーモンだ。アドレス変更してやがる。

132:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:29:29.91 ID:fmYO4C/+0
その日は、午後の授業も部活もパスしてミドリの家へ向かいました。
でも、インターホンを押そうが、玄関で叫ぼうが誰も出てこない。
ボクは、とりあえずノートの切れ端に「会って話がしたい」
と走り書きしたモノを郵便受けに放り込んでおきました。

133:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:30:10.25 ID:fmYO4C/+0
翌日からミドリは、ようやく学校に来るようになったんだけど
ボクのことはガン無視。
ボクは、なんとか話をしようとチャレンジしたんですが、まったく反応ナシ。
一週間くらいはボクも頑張ったんです。聞いてくれなくても謝りもしました。

134:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:31:06.00 ID:fmYO4C/+0
状況を一方的に説明してみたりもしましたが……
もう、お手上げですわ。
ここまで無視されると、さすがに面倒になってしまいましてね。
もう、どーにでもなーれ状態です。

135:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:32:21.09 ID:fmYO4C/+0
ボクって、やっぱり最低男みたいですわ。
というわけで、ミドリとはここから疎遠になるわけです。
夏休み前くらいだったと思います。

136:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:33:11.65 ID:fmYO4C/+0
さて、部活の方はと言うと、こっちはこっちで面倒な状況でした。
当然のことながら、先輩とマネージャーさんは別れることになって
しまいました。

138:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:34:05.85 ID:fmYO4C/+0
なんだか自分のせいみたいで非常に申し訳なかったんですが
先輩によると遅かれ早かれ別れていただろうとのことです。

先輩がミドリに走りかけたのも、マネージャーさんと色んな意味での
すれ違いが増えてきたかららしいです。
って、そんなものなんですかね……

139:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:35:00.92 ID:fmYO4C/+0
そして何よりボクを困らせたのが、マネージャーさんの存在でした。
やたら絡んでくるんですよ。別に嫌がらせをされるわけじゃないんですが
他の部員と比べて特別扱い、というか妙に甲斐甲斐しくってね。

140:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:36:02.11 ID:fmYO4C/+0
ボクは1年のサブでしたから、飲み物とかタオルとかはマネージャーさんから
渡してもらえる身分じゃなかったんですが、なぜか主力並みの扱いを受けてました。

どうやらメンバーの中では、ボクの“略奪愛”しかもキャプテンの彼女を奪う
というなんとも刺激的なストーリーが完成していたらしく、もう二人の
一挙手一投足に注目が集まる状態。

141:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:37:27.45 ID:fmYO4C/+0
おまけに、部活終了後はボクがどんなに急いで帰ろうとしても
マネージャーさんが自転車置場の前で待っているわけで、ボクは仕方なく
一緒に帰ることになるんです。方向が違うのに。

マネージャーさんは、一生懸命話題を作って話しかけてくれますが
ボクは失礼のない程度に相槌を打つくらいで、決して楽しい会話じゃないのに。

142:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:38:34.32 ID:fmYO4C/+0
でも、そんな状態が、しばらく続いた頃、ボクの心境に変化が出てきたんです。
マネージャーさんのことが「なんだかカワイイかも?」とか思えてきて。

そのせいで会話が少し続くようになってくると、彼女がスゴく楽しそうに
してくれるわけです。

143:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:39:20.04 ID:fmYO4C/+0
だから思い切って、というか調子に乗って聞いたみたんですよ。

「あの……何でボクに優しくしてくれるんですか?
 ボクは先輩の件で恨まれてるハズじゃ……」

「そのことは、もういいの。彼とは終わるべくして終わったから
 それより、気になる男の子に優しくしちゃダメなのかな?」

144:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:40:20.72 ID:fmYO4C/+0
「いや、その……さすがにマズイかなと……先輩の手前もあるし……」

「だったら、3年生が引退してからだったら、いいのかな?」

なんだか、妙に畳み掛けられてる感じがします。ああ言えばこう言う感じで。
どんどんコーナーへ追い詰められるボクサーのような雰囲気です。
そして、とうとう何も言えなくなってしまいました。

146:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:41:20.27 ID:fmYO4C/+0
「じゃあ、秋の大会が終わったらキミに告白するから
 その時は真剣に考えてね」

彼女はそう言うとボクの前から、さっと消えてしまいました。

ボクは、今の言葉を脳内でリピート再生します。
今“告白”って単語を使ったよな?? それって、そういうことなのか??

147:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 01:41:29.57 ID:saNoA3zj0
どきどき。。。

148:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:42:19.08 ID:fmYO4C/+0
いやいやいや、山下ユーサク16才、自慢じゃないですが色恋沙汰には
縁のない人生でした。それが美しい上級生から“告白”ですか??
ついにモテ期が到来したんでしょうか? いや襲来か?

149:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:43:28.70 ID:fmYO4C/+0
ところが、それ以降マネージャーさんは、ボクに絡んでくることはなくなり
何かが起こるかも? と期待して勝負パソツまで持参した夏の合宿も普通に
終了してしまいました。 あれ?

150:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:44:15.31 ID:fmYO4C/+0
きっとからかわれただけだったんでしょうね。
ひょっとすると彼女なりの復習劇だったのかもしれません。
一瞬でも喜んだ自分が恥ずかしくなりましたよ。

151:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:45:05.35 ID:fmYO4C/+0
そしてボク達のチームは秋の大会であっけなく敗退し、3年生部員は
引退するわけです。もちろんマネージャーさんも。

152:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:46:06.77 ID:fmYO4C/+0
ボクとしては、ミドリの件もマネージャーさんの件も、封印したい過去
という扱いで意識的に二人を避けてました。

ミドリは相変わらず後ろの席ですから、否応なく毎日視界の端には
入ってくるわけですが、もうボクは彼女を視界の中心に捕らえることは
なくなりました。

153:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:46:59.28 ID:fmYO4C/+0
無視するわけじゃないんですが、視界の端に入ってきたらこっちが先に
移動する感じです。そう、明らかに避けてましたです。今度はボクの方が。
その時、彼女がどんな表情をしていたかなんて知りませんでしたよ。
見てないわけですから。

154:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 01:47:37.13 ID:XEgMvalB0
まだ、展開あるの?

155:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:47:43.74 ID:fmYO4C/+0
校内は学園祭の準備が慌しくなる頃で、サッカー部は毎年“焼きソバ屋台”
を出展することになってるようです。

んっ?焼きソバ……なんとなくイヤな予感がしますよね。それ、当たりです。

156:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:49:02.55 ID:fmYO4C/+0
部の伝統として、引退した3年を含むマネージャーの指導の下に1年メンバーが
調理することが決まりになっていると、その時に初めて聞かされたんですよ。

う~ん、これは……ボクは、例のマネージャーさんとペアになるわけです。
気まずいです。みんな明らかに面白がってます……

157:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:50:09.41 ID:fmYO4C/+0
そして、とうとうその時が訪れます。
マネージャーさんと二人で食材の買出しに出かけた時です。
買い込んだ大量の食材のせいで両手が塞がり、動きに自由度が減ったボクに
彼女が接近してきます。これはヤバイ雰囲気です。

「3年生は引退したね……」

158:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:52:01.57 ID:fmYO4C/+0
「そうですね」

動きにくいといっても相手は女性.全力で走れば振り切れると思ってました。
いざとなればショルダータックルで……とか無謀なことも考えてます。

「山下君、いつかの話を覚えてる?」

159:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:53:34.69 ID:fmYO4C/+0
「何の話でしたっけ?」

しっかり覚えてますが、全然覚えてませーん。もう逃走準備完了です。
何か適当な理由をつけてダッシュでその場を去ろうとするボク。
ところが彼女はボクの進路を巧みに塞ぎ、距離50cmの真剣な表情で見つめます。

近いってば。

160:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:54:51.94 ID:fmYO4C/+0
しかも袖を摘まれた状態ですから、逃げるに逃げられません。
そして、結構ヘビーな話をしてくれるわけです。

先輩とは真剣に付き合っていたこと。
別れてしまったのは残念だけど後悔はしてないこと。

161:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:55:34.04 ID:fmYO4C/+0
確かにボクのことは最初は先輩への“あてつけ”だったこと。
でも、毎日一緒に帰るようになってなんとなく気持ちが落ち着いたこと。
それが恋なのかどうかは自分でも分からなかったこと。
だから自分の気持ちを確かめるために“3年生の引退まで”と期間をおいたこと。

162:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:56:31.23 ID:fmYO4C/+0
そして、今日結論が出たらしいです。

「だからね、山下君。私と付き合ってくれないかな? 年上は嫌い?」

「年上だから嫌いとか、そんなことはないです……」

「だったらオーケーということで、いいかな?」

ここまで聞いて、ボクは初めてマネージャーさんの目を見ました。

163:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:57:06.45 ID:fmYO4C/+0
見慣れたというか、よく知った女性.のに初めて見たような気がしました。
少し年上の美しい女性.、なんとも不安げな表情で自分を凝視している姿に
抗う術は、男子高校生にはありませんでした……

164:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:58:11.85 ID:fmYO4C/+0
というわけで、ボクはマネージャーさんと付き合うことになったわけです。

ただ、彼女はあと数ヶ月で卒業ですし、なんといっても、受験の追い込み
時期ですから、休日にデートとかはできないんですよ。
それでも毎日一緒に帰るのは、楽しかったです。

165:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 01:58:24.90 ID:GA4qGqdB0
最初は気持ち悪い文章だなと思ってたけど
なかなか素敵な話

すんません、続けろください

166:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 01:59:05.08 ID:fmYO4C/+0
そして意外にも? 彼女は純真というかカワイイところがあるんで
ドキドキしました。

先輩から“あんな話/深夜編”を聞かなければよかったなとかは
ちょっと思いましたけどね。

167:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 01:59:33.10 ID:XEgMvalB0
続けてください

168:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 02:00:50.92 ID:fmYO4C/+0
これで、第一部が終わりです。ありがとうございました。

なんだか、ハッピーエンドに見えますけど……

明日は「第二部 復習編」を投下したいと思います。

では、おやすみなさい。

169:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 02:02:39.22 ID:ZMFfs9fx0
おつ、ちゃんと来いよ

170:バース ◆H0fjJ5ft/U2012/10/04(木) 02:02:52.90 ID:fmYO4C/+0
すいません。復習→復讐でした。

171:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 02:07:58.64 ID:EEv3jPEH0

楽しみ

173:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 02:29:33.02 ID:saNoA3zj0
第一部が復讐編ぽい展開だったのに、第二部が復讐編だと・・・
そして、>>1は淡々と復讐を誤変換し続けましたね。
明日も期待してる。

176:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 06:02:52.43 ID:rdSgC9ES0
追いついた
彼女ができるなんてうらやましい…。

177:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 06:18:32.55 ID:pLUL25US0
面白かった!続編が楽しみ。

182:名も無き被検体774号+2012/10/04(木) 15:16:15.29 ID:6eE8gljI0
>>1の文章で映像が見えてくる
ちょっと学生にしては達観しすぎだと思うが、そういう人もいるんだろうなと受け入れられることができた
続きに期待

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